「生きづらさ」を感じるあなたへ
今回処方する本は、『鴻上尚史のほがらか人生相談』
鴻上さんの神回答に感動、泣ける、楽しめるとTwitterで話題の人生相談。AERA dot.での連載をまとめたものです。
副題は、息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋となっております。
効用
- 人間関係の改善
- 孤独、恋愛、子育て、夫婦の不満
- 容姿などのコンプレックスの解消
中身
今回は、本書の中から3つの処方箋を紹介します。
1、恋愛や友情には「おみやげ」が必要
僕は人間関係は「おみやげ」を渡し合う関係が理想だと思っています。
そして、恋愛も友情も、お互いが「おみやげ」を渡し合えている限り、関係は続いていくと思っています。
「おみやげ」とは何か?
おみやげとは、相手にとってプラスになることです。
相手が受け取ってうれしいと感じるものです。
良好な人間関係のためにはプレゼントが必要なのです。
たしかに「金の切れ目が縁の切れ目」みたいで抵抗を持つかもしれませんね。
道徳の教科書に「人間関係では、メリットを与えましょう」なんてまず掲載されないでしょう。
でもこれまであなたを無条件で愛してくれた人がいましたか?
親くらいではないですか。
これが現実です。
普通は、何か得があるから他者に近づくのです。
友情も恋愛も「おみやげ」無しには成立しないのです。
遠距離恋愛がうまくいかないワケ
遠距離恋愛はうまくいかないと言われます。
この鴻上さんのこの「おみやげ理論」からすれば、
遠距離恋愛がうまくいかないのは、離れた場所にいて「メリット」を提供しづらいからではないでしょうか。
実際に恋愛は、身近な人間関係の中から起きやすいと言われます。
社内恋愛が多いのも納得です。
だから恋愛の上手くいくための秘訣は、物理的を距離をまずつめることです。
仲良くしたい相手にはおみやげを渡す
2、人を説得する方法
■人にアドバイスするときのコツとは?
人にアドバイスするときは、
その人の言い方をマネればうまくいく
相談を受けてアドバイスする時に、「人は、他人を説得する方法で説得されやすい」と気付いたのは、二十代真ん中辺りでした。
情熱的に他人を説得している人には、情熱的に言えば説得しやすい。論理的に他人を説得しようとしている人には、論理的に説得すれば説得しやすい。
情熱的な人には情熱的なアプローチが、論理的な人には論理的なアプローチが効果的なのです。
鴻上さんは、このことに気付いてから、よりアドバイスがしやすくなったと語っています。
これは目からウロコでした。
男女間の説得が上手くいかないのもこれで納得します。
男性は一般に論理で説得しようするのに対して女性は感情的に訴えかけます。
例として、松岡修造さんにアドバイスするなら、情熱的にアプローチすればいいのです。
相手に合わせて説得の方法を変えることが大切です。
人を説得して何かをやらせようと思えば、口を開く前に、まず自分に尋ねてみることだ
「どうすれば、そうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるか?」
『人を動かす』より
情熱的な人には情熱的に、論理的な人には論理的に説得しよう
3、子育てや部下の指導の目的
育てることは、守ることではありません。
子育ては、「子供を守り、子供の世話をやくこと」ではありません。
子育ては、「子供を健康的に自立させること」だと僕は思っています。
鴻上さんは、多くの親はマジメすぎると指摘します。
世話をやく親は、子どもに命令と質問を浴びせます。
これは、会社でいえば部下に要求と命令を連発する上司みたいなものです。こうした上司のもとでは部下のやる気は下がります。
自立とは、他人への従属から離れてひとりだちすること。
参考:goo辞書
従属関係にある限り人は、自立できないのです。
過保護は、子どもからすればコントロール・従属です。
適切な距離をとることです。
子どもといえど他者です。
自立させるまでの期間、「一時的に子どもをお預かりしている」くらいの感覚でいる方がちょうどいいのです。
がんばりすぎず、密着しすぎないこと。そうすればあなたも子どももっと楽に自由になれるはずです。
傷つくことから守るのではなく、あなたがいなくなっても、一人で上手くやれるようするのが子どもや部下のためです。
子どもや部下をひきこもらせないためにも、相手の自主性を尊重しましょう。
子育ては、がんばりすぎず、密着しすぎず、適切な距離をとる